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原著
皮膚子宮内膜症
著者: 石川謹也1
所属機関: 1川崎市立川崎病院皮膚科
ページ範囲:P.141 - P.146
文献購入ページに移動 33歳,女子の会陰部に発生した稀有な子宮内膜症の1例を報告した.子宮内膜症は子宮内膜組織が子宮腔以外の部位に異所性に発生した疾患で骨盤腔内臓器以外に種々の臓器に生じる.皮膚にも発生しこれらをSteck & Helwigは皮膚子宮内膜症(cutaneous endo—metriosis)と命名している.臨床的に黒色調を帯びた嚢腫様の結節で,月経時に疼痛を訴え,更に,皮疹の腫大,時には皮疹よりの出血を認める事もあるのが特徴である.組織学的に内膜症に特有な腺様空隙および間質が見られる.また,子宮内膜症のhistogenesisに関する学説は多いが,その主要のものについて説明を加えた.
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