文献詳細
文献概要
原著
組織学的にPapillomatose Confluente et Reticuleeの所見を示し,色素性痒疹様の皮膚症状をきたした1例について
著者: 古田彦太郎1 多田広祠1 松田博子1
所属機関: 1岡山大学医学部皮膚科学教室
ページ範囲:P.155 - P.161
文献購入ページに移動この症例の初発疹は乳房間部における膨疹様扁平丘疹であり,月経期およびその前後に瘙痒発作をきたし,その度毎に皮疹の増悪,拡大をきたした.しかし初診時より投与したsulfis—omezoleは著効を呈し,以後瘙痒発作の発現はみられなくなつた.また初診時組織学的に認められたpapillomatosisも3週間後には著しく軽快する傾向を示した.
自験例はPapillomatose confluente et reticuleeと色素性痒疹の両者の特徴を併有し,両疾患の異同に関して問題を提起する興味ある1例と考えられたのでここに報告した.
掲載誌情報