icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科30巻3号

1976年03月発行

原著

脂腺母斑とSebaceous Pseudomalignancyの問題

著者: 新井春枝1

所属機関: 1北里大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.179 - P.184

文献概要

 45歳主婦.3年来緩徐に拡大する難治性,黄色調紅色の潰瘍が脂腺母斑下端に発生.病理組織学的所見は潰瘍辺縁部で基底細胞上皮腫様病変を示すが,主要病変は脂腺細胞類似の細胞で構成される小葉の集団であつた.小葉は表皮連続性,毛嚢との連絡もある.構成細胞に異型性,mitoseをみ,その配列は不整,真皮への不規則な侵入ある悪性腫瘍の像を有する.基質には著しい形質細胞浸潤を伴う.
 以上の組織像は良性および悪性脂腺腫瘍のいずれにも属せしめることができず,発癌性病巣の母地である脂腺母斑に加えた外的刺激が誘因となつて発現したpseudomalignancyの状態と診断した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら