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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科30巻3号

1976年03月発行

原著

旋毛虫症にみられた皮膚病変

著者: 花田勝美1 見坊公子1 帷子康雄1 祖父尼哲2 山口富雄3

所属機関: 1弘前大学医学部皮膚科学教室 2国立弘前病院皮膚科 3弘前大学医学部寄生虫学教室

ページ範囲:P.211 - P.217

文献概要

要約 本邦最初の確実な旋毛虫人体感染例を14例経験した.皮膚症状としては膨疹が全例にみられ,瘙痒12例,発汗異常10例,蟻走感,知覚鈍麻・しびれ感各4例,眼瞼浮腫2例がそれぞれみられた.全身症状としては筋肉痛が必発で下肢に多い.その他疲労13例,脱力感,体重減少各10例,悪感,発熱各9例,口渇,無気力各8例,頭痛7例等が主なものであつた.治療前の主なる検査成績としては好酸球増多症が被検11例全例に,またIgE高値例は9例にみられた.皮疹部組織所見は真皮上層の毛細血管の拡張と充血,浮腫であり,左腓腹筋のそれでは筋細胞間に小円形細胞を中心とする密な細胞浸潤がみられたが虫体は検出されなかつた.治療として,全例にThiabendazole1日1.5gが7日間投与されて良い結果が得られ,7カ月後に好酸球はいずれも正常値もしくは正常値付近に復したが,IgEには一定の傾向が認められなかつた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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