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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科30巻3号

1976年03月発行

文献概要

原著

多発性角化性皮疹と有棘細胞癌との合併例—とくに砒素との関連性について

著者: 木村俊次1 長島正治1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.219 - P.226

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 64歳男子,30年来手足に角化性皮疹,4年来左手に有棘細胞癌がそれぞれ多発した症例を報告した.24歳頃肺結核にて内容不明の液体を約半年間にわたり服用した既往がある.角化症は主に小鶏眼様であるが,黒褐色扁平皮疹,落屑性紅斑性皮疹の形を示すものも散在する.また瀰漫性の角化も一部みられる.組織学的には,小鶏眼様および落屑性紅斑の角化症に軽度の異型性,黒褐色扁平な角化症にはより強い異型性がみられた.既往歴,現症,検査成績,組織学的所見などについて砒素角化症ならびに砒素癌の報告例と比較検討し,自験例も砒素との関連性ありとの印象を受けた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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