icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科30巻5号

1976年05月発行

文献概要

原著

汗疱状白癬の感染源に関する2,3の検索

著者: 境繁雄1 石河知之1 佐藤静生1 加畑雅行1 帷子康雄1

所属機関: 1弘前大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.385 - P.389

文献購入ページに移動
 汗疱状白癬は難治性,再発性の伝染性疾患で,直接感染の他に共同施設などを介する間接感染も考えられている.最近,当院職員間に汗疱状白癬の増加傾向をみたので,感染源と考えられる中央手術部の共用サンダル,浴室脱衣場のマット,床,および汗疱状白癬患者の靴下類につき,Tetracycline, Gentamycin, Cycloheximide加Sabouraud培地を用い,皮膚糸状菌の検出を試み,サンダル22足中の1足から,脱衣場のマットからは高率に,4つの脱衣場の床の1つからそれぞれ皮膚糸状菌を検出した.患者の靴下類からは10件中8件の高率に菌を検出し,菌が病巣から容易に脱落することを,また,長期間使用してなかつた靴下10件を調べ,靴下中でも菌が長期間生存しうることを確認した.脱衣場のマットを120℃10分間加熱滅菌し,毎日交換した後の検査では皮膚糸状菌は全く検出されず,著明な改善を認めた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?