icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科30巻6号

1976年06月発行

原著

骨病変を伴つたMycobacterium marinum感染症

著者: 東禹彦1 寺西晴満1 朝田康夫1 松矢浩司2 森益太2 吉良貞雄3

所属機関: 1関西医科大学皮膚科学教室 2関西医科大学整形外科学教室 3松下病院

ページ範囲:P.449 - P.454

文献概要

 Mycobacterium marinum感染症では,病巣は単発あるいは多発してもスポロトリウム症のリンパ管型に類似の型を示し,汎発化したり,皮膚以外に病巣を形成することはまれである.自験例は27歳,男子の例で,右手,右前腕,左肘,左足に皮膚病変が存在するのみでなく,左第1中足骨,内側楔状骨には腐骨形成をみた稀有な症例である.各種抗結核薬を投与したがあまり奏効せず,全病巣の廓清術を行なつて略治した.4年前に左足肯に初発したと推定されるが,感染源は不明である.分離菌は37℃でも27℃におけると同様旺盛な発育を示したこと,患者は10年来悪性脱毛症のために副腎皮質ステロイドを内服していたことなどが,病巣の汎発化および骨病変を形成したことに関係しているものと思う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら