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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科30巻6号

1976年06月発行

文献概要

原著

パーカーインクを使用するヘルペス感染症のウイルス性巨細胞検出法について—ヘルペス感染症の迅速診断

著者: 猿田隆夫1 猿田泰夫2 中溝慶生1

所属機関: 1九州大学温泉治療学研究所皮膚科教室 2久留米大学皮膚科教室

ページ範囲:P.469 - P.475

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要約 ヘルペス感染症の迅速診断に,細胞診が有用であることは以前から知られていた.しかし広く一般に応用されてはいないようである.
著者らはパーカーインクを用いる細胞診断法(PK法)を工夫し,単純庖疹,帯状庖疹,水痘に応用したところ,対照群と比較してかなり特異的に,しかも従来のギムザ法よりきらに簡単に迅速にウイルス性巨細胞を検出できることを知つた.
また本法を用いて,臨床的に診断の困難てあつた陰部庖疹2例,庖疹瘭疽2例,手脊,臀部の単純庖疹各1例に対して診断を下すことができた.
本法は非常に簡易なため今後外来診療において部位的に診断困難な単純庖疹,陰部庖疹,庖疹性瘭疽,汎発性単純庖疹,汎発性帯状庖疹,カポジー痘瘡状発疹の場合の種痘性湿疹との鑑別,痘瘡との鑑別などに利用価値が大きいと考えた.なお本法は単純庖疹,帯状庖疹,水痘の相互の鑑別には応用できない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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