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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科30巻7号

1976年07月発行

文献概要

原著

Preangiitis Syndromeの1例

著者: 末次敏之1 森川孝雄1 村田譲治1 斎藤真理子1

所属機関: 1昭和大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.525 - P.530

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 27歳,女子,初診2カ月前より37℃台の弛張熱を伴つて顔面に紅斑が出現,徐々に紅斑は全身に拡大す.SLEの疑診にて即日入院.臨床経過:全経過を通して4回の発熱発作とそれに時を同じくして扁平隆起性・滲出性あるいは環状を呈する紅斑が出現,短時日に解熱とともに色素沈着を残さず消褪.自覚症状は,時に全身倦怠・悪心・関節痛・筋痛を訴えた.検査所見:血沈は中等度に亢進,白血球数は正常か時に減少,γ—グロブリンは常に上昇しRAは(+)〜(++)であつたがLE細胞・抗核抗体陰性.組織学的所見:表皮は正常・真皮・皮下組織にリンパ球系細胞からなるビマン性・血管周囲性あるいは皮膚付属器性の浸潤をみる.またLBT (−).治療:副腎皮質ホルモン投与開始5カ月後発熱発作はみられずγグロブリンは正常,RAは陰性化した.なお,患者は10歳頃より慢性扁桃腺炎に悩まされ20歳時扁桃摘出術を施行している.
 以上の臨床所見,検査所見ならびに経過より,大藤の提唱するpreangiitis syndromeと診断し,報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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