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原著
汎発性白皮症の兄弟に多発した"黒子"について
著者: 辻卓夫1 斎藤忠夫1
所属機関: 1大阪市立大学医学部皮膚科教室
ページ範囲:P.553 - P.559
文献購入ページに移動 9歳と7歳の汎発性白皮症の兄弟に多発した黒子(mole)について述べた.黒子の数はそれぞれ計56個,27個で,全身に出現し,留針頭大ないし米粒大の淡紅色の斑状または軽度隆起した小結節として認められた.光顕所見ではメラニン顆粒はほとんどみられないが,細胞の分布状態,分布位置および各細胞の特徴より色素細胞性母斑と診断した.これら皮疹の大部分は複合母斑の特徴を認め,他は境界母斑または真皮内母斑の特徴を示した.
DOPA反応は境界部および真皮浅層部の母斑細胞に陽性を示した.電顕所見では境界部および真皮浅層部の母斑細胞において,メラノソームⅡ期およびⅢ期に加えてⅣ期のものもかなり認められ,本母斑細胞が軽度ながらメラニン産生能を有していることが判明した.なお人種による皮膚の色素量の差と黒子の発生頻度との関係についても文献的に考察を加えた.
DOPA反応は境界部および真皮浅層部の母斑細胞に陽性を示した.電顕所見では境界部および真皮浅層部の母斑細胞において,メラノソームⅡ期およびⅢ期に加えてⅣ期のものもかなり認められ,本母斑細胞が軽度ながらメラニン産生能を有していることが判明した.なお人種による皮膚の色素量の差と黒子の発生頻度との関係についても文献的に考察を加えた.
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