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原著
Eccrine Ductocarcinoma—臨床的,組織学的,組織化学的ならびに電顕的特性
著者: 小倉治雄1 三島豊2
所属機関: 1和歌山県立医科大学皮膚科学教室 2神戸大学医学部皮膚科学教室
ページ範囲:P.595 - P.604
文献購入ページに移動右下腿に8年来あつた腫瘤が2カ月前から急速に増殖するとともに転移を来し,死亡した72歳男子例を検索した.1)腫瘍細胞は索状構築を示し,特に腫瘍辺縁部には正常エクリン汗管のみならず,一部癌化した管壁細胞を有するエクリン汗管を見た.2)腫瘍細胞巣はSDG,P-laseが強陽性;AcPase,β-Gが陰性,一部弱陽性でエクリン系の酵素パターンを示した.3)大部分の腫瘍細胞は糖原に富み,更に少数のsialomucin含有細胞が存在していた.4)電顕的に管腔様構造,villi様突起,D-T complex,糖原,sialomucin顆粒,管腔の辺縁に小空胞があり,高電子密度の粘液顆粒,分泌細管の欠如,等より本例はeccrine ductocarcinomaとしての構造ならびに機能的分化を示すと考察した.
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