icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科31巻10号

1977年10月発行

文献概要

原著

口腔粘膜に限局する尋常性天疱瘡の1例

著者: 中川恵美1 西川武二1 籏野倫1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.819 - P.822

文献購入ページに移動
 発疹初発以来2年余を経過するも発疹が口腔内にのみ限局し,DDS内服にて良好な経過を示している尋常性天疱瘡の1例を報告した.症例は77歳,男子.口唇粘膜疹の組織所見は基底層直上の棘融解性水疱.螢光抗体直接法で表皮細胞間にIgG,一部にC3,IgMの沈着を認めた.血中天疱瘡抗体は640〜160倍陽性.DDS 75mg/日内服により発疹は軽快し,現在25mg/日内服を継続中であるが,口内に軽度のびらんをみるのみで経過良好である.発疹が1年以上口腔に限局する本邦報告例をまとめ,同時に本症例における螢光抗体法の知見等について考察した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?