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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科31巻11号

1977年11月発行

文献概要

原著

Necrobiosis Lipoidicaの1例

著者: 今井民1 北村啓次郎1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.907 - P.910

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 53歳女性に発症したnecrobiosis lipoidicaの1例を報告した.皮疹は下腿前面にあり,ほぼ定型的な像を呈し,組織学的には肉芽腫が真皮変性部をとり囲む所見とともに,毛細血管の肥厚が見られた.変性結合織線維間には脂肪滴も見られた.糖尿病の検索では空腹時血糖,尿糖また眼科的に異常を認めず,50g-GTT, 50g Steroid O-GTTでは境界型であつた.しかるにimmunoreactive insulin (以下IRI)は,50g O-GTTでΔIRI/ΔBG 0.4以下をなし,インスリンの分泌能低下を認め自験例が前糖尿病期にあることを示した.
 一般に前糖尿病期には臨床的に無症状,従来の検査所見に異常は見られないが,インスリン分泌能低下がすでに認められることが,最近強調されている.今回著者らは自験例と糖尿病との関連性を述べ,糖尿病と関連性の知られている皮膚疾患を見る際に,O-GTTに加え,IRIすなわちインスリン分泌能検査の必要性についても強調した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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