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原著
Necrobiosis Lipoidicaの1例
著者: 今井民1 北村啓次郎1
所属機関: 1慶応義塾大学医学部皮膚科教室
ページ範囲:P.907 - P.910
文献購入ページに移動 53歳女性に発症したnecrobiosis lipoidicaの1例を報告した.皮疹は下腿前面にあり,ほぼ定型的な像を呈し,組織学的には肉芽腫が真皮変性部をとり囲む所見とともに,毛細血管の肥厚が見られた.変性結合織線維間には脂肪滴も見られた.糖尿病の検索では空腹時血糖,尿糖また眼科的に異常を認めず,50g-GTT, 50g Steroid O-GTTでは境界型であつた.しかるにimmunoreactive insulin (以下IRI)は,50g O-GTTでΔIRI/ΔBG 0.4以下をなし,インスリンの分泌能低下を認め自験例が前糖尿病期にあることを示した.
一般に前糖尿病期には臨床的に無症状,従来の検査所見に異常は見られないが,インスリン分泌能低下がすでに認められることが,最近強調されている.今回著者らは自験例と糖尿病との関連性を述べ,糖尿病と関連性の知られている皮膚疾患を見る際に,O-GTTに加え,IRIすなわちインスリン分泌能検査の必要性についても強調した.
一般に前糖尿病期には臨床的に無症状,従来の検査所見に異常は見られないが,インスリン分泌能低下がすでに認められることが,最近強調されている.今回著者らは自験例と糖尿病との関連性を述べ,糖尿病と関連性の知られている皮膚疾患を見る際に,O-GTTに加え,IRIすなわちインスリン分泌能検査の必要性についても強調した.
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