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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科31巻2号

1977年02月発行

文献概要

原著

播種状黄色腫—2例の報告

著者: 北村啓次郎1 菅原信1 荘由紀子1 長島正治1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.127 - P.133

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 39歳および32歳男子会社員.共に数カ月前より全身諸所に小結節を生じ,生検の結果播種状黄色腫と診断し得た.いずれもnormolipemicで合併症なく,組織学的にxantho—granuloma〜histiocytosisといつた所見であつた.両例の組織像を通覧するに,皮疹の新旧によりproliferative→granulomatous→xanthomatousといつた流れが見られ,また症例1に試みた脂肪負荷試験およびその前後における病変部組織内脂質の微量分析の結果を加味して,本疾患を皮膚組織球(網内系組織球の一部)の機能異常により,一見正常でも食餌などにより変動する血清脂質の影響を病変局所の組織球が受け脂質を貧食,黄色腫を形成したものと考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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