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原著
カンジダ性毛瘡
著者: 笠井達也1 三浦幹枝1
所属機関: 1国立仙台病院皮膚科
ページ範囲:P.281 - P.286
文献購入ページに移動 63歳男子にみられたカンジダ性毛瘡の1例を報告した.その臨床所見は,下口唇唇紅部から頤部にかけての広汎な発赤腫脹を示す局面内に,毛嚢一致性の膿疱が多発し,硬結を伴うもので,少数の小結節は,口角を越えて上口唇の両外側部にも認められた.抜去した毛のKOH標本所見では,長くのびた菌糸が,毛根を網状にとりまいていたが,毛の中に菌が侵入する所見はなかつた.病理組織学的には,毛嚢中心性の,真皮全層にわたる稠密な細胞浸潤で,真皮内膿瘍を形成し,一部に毛嚢壁の破壊を認めた.PAS染色において,真皮内膿瘍中に菌要素が認められた.培養によりCandida albicansを分離.
本症例は一見白癬性毛瘡に類似しており,これをカンジダ性毛嚢炎の中に包括するよりも,カンジダ性毛瘡と呼んで別個の病型として扱う方が,その特徴をより明確に表現するものと考えられるので,その理由をのべた.
本症例は一見白癬性毛瘡に類似しており,これをカンジダ性毛嚢炎の中に包括するよりも,カンジダ性毛瘡と呼んで別個の病型として扱う方が,その特徴をより明確に表現するものと考えられるので,その理由をのべた.
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