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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科31巻5号

1977年05月発行

文献概要

綜説

生体防御としてのアレルギー炎症

著者: 高瀬吉雄1

所属機関: 1信州大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.345 - P.348

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炎症と生体
 いわゆる生活反応またはvital signの一つに炎症がある.病理学者は炎症とはなにかとの定義を下すのは難かしいと言うが,臨床医はむしろ直観的に炎症であるか否かを判断する.炎症か非炎症かを判断しえても,またそうしなくては日常の診療が不可能であるが,臨床医が炎症とはなにかという掘り下げた考察をすることは殆んどなかつたと言つても過言でなかろう.
 炎症inflammationの語感は我々医師に,より早くより完全にこれを鎮圧すべきものという印象を与える.一部の炎症はヒトという生物にとつて危険なinvador,たとえばウイルス,細菌などによつて発生するので,早く完全に治癒されるべきかもしれない.しかし,こうした考えが強く臨床医を支配したことが,抗生物質,抗炎症剤,ステロイドホルモン,免疫抑制剤などの多用または乱用の因となり医学及び社会の大きな問題となつている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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