文献詳細
原著
文献概要
表皮内にいわゆるPaget現象を示したエクリン汗器官癌の2例を報告した.2例とも,腫瘍細胞は表皮細胞にsymbioticに接し,細胞質にはglycogen顆粒が豊富で,neutral mucopolysaccharideを認めない.症例1では,腫瘍細胞は基底細胞様で,充実性の腫瘍塊を形成し,表皮より真皮深層まで浸潤し,柵状配列を認めず,eccrine porocarci—nomaと診断した.症例2では,はつきりとした管腔構造やクチクラは認められないが,真皮内で腺腫様の構築を示し,表皮内へ侵入して,管腔様ないし腺様の増殖を示し,一方筋上皮細胞を認めないことから,eccrine ductocarcinomaと考えた.
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