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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科31巻7号

1977年07月発行

文献概要

原著

前腕に生じたApocrine Cystadenomaの1例

著者: 菊池禮子1

所属機関: 1東京医科歯科大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.535 - P.538

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 42歳,女.約3年前に,右前腕伸側の小指頭大腫瘤に気付く.表面の色調は徐々に濃くなり,初診時は黒青色,大きさは12×10mm,弾性軟の皮下腫瘤となつた.
 組織学的には,真皮内嚢腫で,その壁は一層の背の高い円柱状細胞よりなり,一部は乳頭状をなして突出,一部は蕾状増殖や小嚢胞形成がある.内腔面はcuticulaを有するようにみえるところがあり,PAS陽性,diastase抵抗性,mucicarminおよびBerlin青で特に強染する.以上よりapocrine cystadenomaと診断した.
 報告文献を検討したところ,本邦では6例が経験され,女子としては2例目である.部位的にはapocrine分布部位以外で発生した例は他にみとめられず,特異的である.加えて組織発生について考察した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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