文献詳細
文献概要
原著
前腕に生じたApocrine Cystadenomaの1例
著者: 菊池禮子1
所属機関: 1東京医科歯科大学医学部皮膚科学教室
ページ範囲:P.535 - P.538
文献購入ページに移動 42歳,女.約3年前に,右前腕伸側の小指頭大腫瘤に気付く.表面の色調は徐々に濃くなり,初診時は黒青色,大きさは12×10mm,弾性軟の皮下腫瘤となつた.
組織学的には,真皮内嚢腫で,その壁は一層の背の高い円柱状細胞よりなり,一部は乳頭状をなして突出,一部は蕾状増殖や小嚢胞形成がある.内腔面はcuticulaを有するようにみえるところがあり,PAS陽性,diastase抵抗性,mucicarminおよびBerlin青で特に強染する.以上よりapocrine cystadenomaと診断した.
報告文献を検討したところ,本邦では6例が経験され,女子としては2例目である.部位的にはapocrine分布部位以外で発生した例は他にみとめられず,特異的である.加えて組織発生について考察した.
組織学的には,真皮内嚢腫で,その壁は一層の背の高い円柱状細胞よりなり,一部は乳頭状をなして突出,一部は蕾状増殖や小嚢胞形成がある.内腔面はcuticulaを有するようにみえるところがあり,PAS陽性,diastase抵抗性,mucicarminおよびBerlin青で特に強染する.以上よりapocrine cystadenomaと診断した.
報告文献を検討したところ,本邦では6例が経験され,女子としては2例目である.部位的にはapocrine分布部位以外で発生した例は他にみとめられず,特異的である.加えて組織発生について考察した.
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