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原著
腎細胞癌の皮膚転移例
著者: 滝野長平1 有田里加1 吉田正巳1 宮崎竜之輔2 広瀬康二3
所属機関: 1九段坂病院皮膚科 2九段坂病院内科 3独協医科大学血液内科
ページ範囲:P.573 - P.579
文献購入ページに移動本邦皮膚科領域からの報告は自験例を含め14例で,これらから一般像を推測すると,姓別では男性が圧倒的で,年齢は50歳台ついで40歳台に多く,数では少なく単発例が過半数を占めた.部位としては相対的に頭部が多く,また真皮内に位置することが皮下組織内のものより多かつた.発疹としては小型・紅色調・硬ないし弾性硬の結節であることが多かつた.原疾患の発病より皮膚転移巣出現までの期間ならびに皮膚転移巣出現よりの生存期間は種々で一定の傾向は推定しえなかつた.皮膚科領城においては皮疹を通じてのいわゆる潜在性副腎腫に遭遇する頻度がかなり高い成績をえたことから,本症に対する皮膚科医の果たす役割の少なくないことと稀れなものとはいえ留意すべき疾患であることを強調した.
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