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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科31巻8号

1977年08月発行

原著

クリプトコックス髄膜炎を併発した皮膚細網症

著者: 北村啓次郎1 原田敬之1 菅原信1 籏野倫1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.589 - P.597

文献概要

 四肢の皮下硬結で50年7月30日来院,生検にて皮膚細網症と診断した例を報告した.経過中皮疹増悪傾向あり,デルモパン,PSL,抗腫瘍剤を単独または併用し,皮疹は消褪したが,51年1月右肺に小円形異常陰影生じ漸増.2月腰椎病的骨折を認め,これらを皮膚悪性細網症の浸潤によると考え,3月よりCBPP療法開始.一時小康状態をえたが,4月髄膜刺激症状生じ,髄液中に胞子発見,Cryptococcus neoformans と同定した.そこでCBPP療法中止し,4月22日より5—FC 1日10.5g総量374.5g,アンフォテリシンB (AMPH)1日20mg総量362mgの併用で経過をみたところ,6月に入り急激な肝機能障害を呈し,21日死亡した.細網症の治療中のクリプトコックス髄膜炎の合併は稀でないが,生前に診断しうることは比較的稀である.また直接死因と考えられた肝不全は,5—FCまたはAMPHの副作用とするより末期に併発したビールス性亜急性肝萎縮によるとした.さらにクリプトコックス症に対する5—FCの有効性を考察した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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