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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科31巻8号

1977年08月発行

文献概要

原著

Warty dyskeratoma

著者: 中野和子1

所属機関: 1大阪市立大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.605 - P.608

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 74歳,女性の右手背部拇指側にみられたwarty dyskeratoma の症例を報告した.
 皮疹は10×12×2mm大,弾性硬の黒褐色腫瘍で,組織学的には表皮に著明な角質増殖があり,その底部では基底層直上部に裂隙を生じ,この裂隙には絨毛の突出を見,また棘融解をおこしたacantholytic cellと共に良性異常角化を示すdyskeratotic cellが多数みられた.本腫瘍と毛包との関係は認められなかつた.以上よりwarty dyskeratomaと診断した.本症はDarier病との関係,またDarier型角化異常を伴う老人性角化腫との異同が問題となる.しかし臨床的に単発で孤立性に生ずる腫瘍でDarier病とは異なり,また組織学的に良性異常角化で悪性の変化がみられないことより,老人性角化腫とも異なつた1つの独立疾患と考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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