icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科31巻8号

1977年08月発行

原著

原発性膿皮症様アスペルギルス症の1例

著者: 笠井達也1 三浦幹枝1 関口博史2 並木恒夫3

所属機関: 1国立仙台病院皮膚科 2国立仙台病院小児科 3国立仙台病院研究検査科・病理

ページ範囲:P.611 - P.616

文献概要

 8歳1カ月女児.急性骨髄性白血病にて入院加療中,前後14日間にわたり,翼状針を固定,包帯して持続点滴せる右腕関節部伸側に小膿疱が帯状に密集,融合し,小潰瘍を混じた局面を形成.初診時には診断は困難で,生検により,真皮内膿瘍の中央に球状に発育した菌糸塊を認め,その後の鏡検,培養によりAspergillus fumigatusを分離した.本症例においては,長期間の包帯下というギプス包帯にも比すべき条件を考慮すれば,発症の状態,臨床像ならびに組織所見は,近年福代教授が提唱された原発性膿皮症様アスペルギルス症の概念に一致するものである.本病型の皮膚アスペルギルス症は,本報告例を含めてこれまでに15例を数えるが,自然治癒傾向のあるところから,看過され易いものと考えられる.なお,本症例は白血病の悪化により,局所の治癒にいたらぬうちに死亡したので,その剖検所見をも併せて報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら