icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科31巻8号

1977年08月発行

原著

悪性腫瘍を合併した皮膚筋炎の2例

著者: 税田武三1 吉永愛子1 岡本喜雄2 緒方康博3

所属機関: 1熊本中央病院皮膚科 2熊本中央病院外科 3熊本中央病院内科

ページ範囲:P.655 - P.662

文献概要

 症例1は58歳男子,発熱,呼吸困難,嚥下困難,全身皮膚の潮紅落屑を主訴として入院,臨床的および組織学的検査により皮膚筋炎と診断した.胃透視および胃内視鏡にて胃癌が発見され,経鼻腔栄養,副腎皮質ホルモンおよびATPにより全身状態の改善を待つて胃切除術を行つた.胃癌摘出後は,副腎皮質ホルモン投与を行つていないが,筋力はしだいに回復し,皮膚の潮紅落屑もやや改善が認められた.その後経過順調で,現在経過観察中である.
 症例2は65歳男子,嚥下障害,発熱,全身倦怠感を主訴として入院,皮膚筋炎と診断した.食道上部および頸部リンパ節からの組織検査で扁平上皮癌を確認し,抗腫瘍剤,抗生物質等を投与するも一般状態の改善がみられず,嚥下性肺炎にて死亡した.
 以上悪性腫瘍を合併した皮膚筋炎の2例につき報告すると共に,悪性腫瘍と皮膚筋炎との関係について文献的考察を行つた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら