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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科32巻1号

1978年01月発行

文献概要

原著

Dermatofibrosarcoma Protuberans—2例の報告とその病因論について

著者: 北村啓次郎1 菅原信1 長島正治1 三方淳男2

所属機関: 1慶応義塾大学医学部皮膚科教室 2慶応義塾大学医学部病理学教室

ページ範囲:P.45 - P.54

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 40歳男,37歳男の各々右前胸部,左下腹部に生じ,組織学的にcartwheelあるいはstoriform patternの認められたDermatofibrosarcoma protuberansの定型例2例を記載した.
 本腫瘍細胞の由来を考えるため,自験例を電顕的,ならびに組織培養的に観察した結果,本症は真皮に迷芽性に潜在する骨膜性,筋膜性,腱鞘性,神経鞘性あるいは真皮性のfaculta—tive fibroblastから発生したものと推論した.またhistiocytoma, xanthoma, subepidermalnodular fibrosis (dermatofibroma)などをすべて組織球由来とし,その分化の方向が若干異つたものとして,これらをfibrous histiocytomaとまとめて考え,さらにdermatofibro—ma, Dermatofibrosarcoma protuberans,そしてfibrosarcomaの3疾患の間に1つの疾患スペクトルムがあるとする考えを興味あるものとして述べた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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