文献詳細
原著
文献概要
3歳女児.生後1カ月頃より臍部に鮮紅色腫瘤が認められた.米粒大,弾性硬,易出血性,表面は常に湿潤し粘液分泌物あり.組織学的に腸管粘膜を認め,卵黄腸管遺残の一型,即ち,臍ポリープと診断した.
卵黄腸管遺残の本邦報告例は自験例を含めて48例ある.昭和30年以降の40例のうち,臍ポリープは3例.その臨床は鮮紅色腫瘤が特徴であるが,外国例では常色の1例があつた.消息子を通じ得る小孔が無いことは診断に際し重要である.酷似する臍肉芽腫との鑑別は組織学的所見にて胃腸管粘膜を見出だすことにより成される.確定診断後は合併する発生異常の有無を確かめるべきと考える.治療は切除であるが,合併症による消化管症状があれば外科的により広汎な切除が必要となる.
卵黄腸管遺残の本邦報告例は自験例を含めて48例ある.昭和30年以降の40例のうち,臍ポリープは3例.その臨床は鮮紅色腫瘤が特徴であるが,外国例では常色の1例があつた.消息子を通じ得る小孔が無いことは診断に際し重要である.酷似する臍肉芽腫との鑑別は組織学的所見にて胃腸管粘膜を見出だすことにより成される.確定診断後は合併する発生異常の有無を確かめるべきと考える.治療は切除であるが,合併症による消化管症状があれば外科的により広汎な切除が必要となる.
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