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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科32巻10号

1978年10月発行

文献概要

原著

Lymphomatoid Papulosis類似の組織像を経過中に示したPityriasis Lichenoides Chronicaの1例

著者: 宮川泰一1 服部瑛1 石川英一1

所属機関: 1群馬大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.807 - P.811

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 その経過中にlymphomatoid papulosis類似の組織像を呈したpityriasis licheno—ides chronicaの23歳,女子例を経験した.Lymphomatoid papulosisは1968年Macaulayにより提唱された疾患である.その特徴は,臨床的にpityriasis lichenoidesの像を呈し,一般的には良性の経過をとるが,組織学的には浸潤細胞中に大型異型細胞の浸潤を認め,悪性像を思わせるとされている.しかし,その疾患概念にはなお混乱がみられる.自験例では,第1回目の組織変化はlymphomatoid papulosis類似の変化を示し,第2回目ではpity—riasis lichenoides chronicaの定型的変化であった.このことはlymphomatoid papulosisでみられる大型異型細胞はpityriasis lichenoidesでも生じうる可能性を示唆するものであり,今後,lymphomatoid papulosisの独立性について一層の検討が必要と考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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