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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科32巻10号

1978年10月発行

原著

ペラグラの1例

著者: 吉井恵子1 田代正昭1 下稲葉耕作2

所属機関: 1鹿児島大学医学部皮膚科学教室 2下稲葉病院

ページ範囲:P.855 - P.859

文献概要

 53歳,女性のペラグラの症例を報告した.患者は行き倒れの状態で発見され,初診時,足背,下腿,手背,前胸部を中心に紫褐色調を滞びる紅斑をみとめ,下腿においては水疱,糜爛,潰瘍を混じる.眼瞼炎,口角炎,舌肥大の他,頻回の下痢がみられ,抑うつ状態にあった.臨床検査所見においては貧血,赤沈値亢進および血清蛋白低下の他には著変なく,皮膚の病理組織検査にては角質増殖を伴なう表皮肥厚,真反上層の浮腫と基底層および真皮上層のメラニン沈着がみとめられた.Nicotinamideを含むVitamin B complexを中心とする薬剤投与と病院食の全量摂取にて経過をみたところ,紅斑および潰瘍は色素沈着およびわずかに瘢痕を残して6週後には治癒し,下痢,抑うつ状態も消失した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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