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原著
転移性皮膚癌—臨床統計及び病理組織学的検討
著者: 田村晋也1 北村啓次郎1
所属機関: 1慶応義塾大学医学部皮膚科学教室
ページ範囲:P.963 - P.970
文献購入ページに移動 昭和40年以降13年間に慶大皮膚科教室で経験された転移性皮膚癌20例について臨床統計的及び病理組織学的に検討した.
原発巣は乳癌5例,胃癌4例,子宮癌2例,大腸癌1例,直腸癌1例,上顎癌1例,腎癌1例,不明5例であった.皮膚転移巣の臨床所見は単発9例,多発11例であり,結節型14例,炎症型5例,硬化型1例であった.組織像は分化腺癌3例,未分化腺癌5例,扁平上皮癌4例,硬癌6例,未分化癌1例,特殊型(腎癌)1例であった.皮膚転移部位では,乳癌,子宮癌及び上顎癌等の扁平上皮癌は原発臓器に近接する皮膚に多く見られ,胃癌及び腸癌等の消化器癌は広く全身に散在する傾向があった.予後について調査し得た13例の皮膚転移巣出現後死亡までの平均生存期間は10.5カ月であった.
さらに自験例中興味ある所見の認められた数例につき略述し,若干の考察を加えた.
原発巣は乳癌5例,胃癌4例,子宮癌2例,大腸癌1例,直腸癌1例,上顎癌1例,腎癌1例,不明5例であった.皮膚転移巣の臨床所見は単発9例,多発11例であり,結節型14例,炎症型5例,硬化型1例であった.組織像は分化腺癌3例,未分化腺癌5例,扁平上皮癌4例,硬癌6例,未分化癌1例,特殊型(腎癌)1例であった.皮膚転移部位では,乳癌,子宮癌及び上顎癌等の扁平上皮癌は原発臓器に近接する皮膚に多く見られ,胃癌及び腸癌等の消化器癌は広く全身に散在する傾向があった.予後について調査し得た13例の皮膚転移巣出現後死亡までの平均生存期間は10.5カ月であった.
さらに自験例中興味ある所見の認められた数例につき略述し,若干の考察を加えた.
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