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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科32巻11号

1978年11月発行

原著

経過中に汎発性鞏皮症を合併した全身性エリテマトーデス症例

著者: 斎藤義雄1 倉繁田鶴子1 石川英一1

所属機関: 1群馬大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.979 - P.985

文献概要

 42歳,男.初めdiscoid disseminated lupus erythematosusとして治療経過観察中,LE細胞陽性,高ANF値(2,048倍,speckled pattern),補体価低下および蛋白尿の出現とSLEの所見を呈し,さらに最近に至りレイノー現象,手,前腕,上腕,上胸,上背,下腿,足に浮腫性硬化が継発し,同時に舌小帯短縮,食道の蠕動低下を認め,臨床的にSLEと汎発性鞏皮症(SD)との合併と考えられるに至った.さらに最近認めた頬部紅斑の組織像ではLEの所見を,また前腕,上腕,背部の組織像ではSDの所見を認め,病理組織学的にも両疾患の合併が考えられた.しかし,免疫組織学的には頬部紅斑および前腕・背部の浮腫性硬化部にIgGないしC3を表皮細胞核および皮膚基底膜に認め,mixed connec—tive tissue disease (MCTD)の所見と類似していた.しかし現在までの測定で抗ENA抗体は陰性である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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