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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科32巻2号

1978年02月発行

原著

Acute generalized pustular bacteridの3例

著者: 行木弘真佐1 石川英一1

所属機関: 1群馬大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.103 - P.108

文献概要

 1974年Tanは溶連菌による上気道感染症のあとに手背,前腕,下腿,躯幹に膿疱を生じ,抗生物質により皮疹の軽快をみ,急性の経過をとつた58歳の女子例を報告.leucocytoclastic vasculitisの非典型例と考えacute generalized pustular bacteridと命名した.我々は先の教室の吉田の症例に引続き,臨床的にTanの症例に近いと思われる3例(60歳男,42歳男および51歳女)を新たに経験した.本症の特徴として1)皮疹出現前の溶連菌による上気道感染症状,2)高ASLO値,3)全身とくに手背,足背,下腿などに好発する膿疱の集簇性ないし播種状発生,4)皮疹の比較的急速な軽快傾向および5)再発傾向のないことなどが挙げられる.組織学的には自験3例中1例にアレルギー性血管炎の像を認め,免疫組織学的検索では自験例全例に真皮上層小血管壁にIgM, C3の沈着を認めた.以上の特徴から本症は溶連菌感染症により誘発され,Arthus型の血管反応の上に発症した細菌疹であることが示唆される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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