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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科32巻2号

1978年02月発行

原著

エバンスブルー疹の3例

著者: 川津友子1 晒千津子1 川津智是1 平松博子2

所属機関: 1愛媛大学医学部皮膚科学教室 2岡山大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.109 - P.113

文献概要

 リンパ管造影の標識色素剤エバンスブルーによる薬疹の3例を報告した.リンパ管造影後皮疹の出現までの期間は10〜12日,1例を除き皮疹は広範囲に認められ,下肢ではエバンスブルーの青染部に一致した帯状分布を示した.皮疹の性状は,紅斑,小丘疹が主で,高齢者の2例は下腿に紫斑を混じていた.また1例では下肢の紅斑は遠心性に拡大し,中心治癒傾向が認められた.皮疹の発生から消褪までの期間は12〜17日で,消褪後にもなおエバンスブルーによる皮膚の青染を残していた.組織像では,真皮上〜中層に小血管の浮腫とその周囲に好酸球を混じた炎症性細胞浸潤と赤血球の漏出が認められた.0.5%エバンスブルー注射液による皮内テストは,全例48時間後陽性で,遅延型アレルギー反応によるものと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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