文献詳細
原著
文献概要
症例.71歳,女,約1年前に発症した,左頬部の扁平隆起性腫瘍.直径1.5cm,淡紅褐色で弾性硬,表面はやや湿潤性で顆粒状ないし疣状を呈し,易出血性,一部に鱗屑・血痂が附着.時に掻痒あり.摘除後,再発なし.
病理組織所見.分葉状〜粗大網状の構築を示す,境界明確な腫瘍塊であり,毛包との連絡像が認められた.腫瘍細胞の主体は,PAS陽性・ジアスターゼ消化性のグリコーゲン顆粒を多量に含有する澄明細胞(clear cell)で,辺縁に棚状構造がみられた.腫瘍内に所謂trichilemmal keratinizationと思われる像が認められ,また少数のsquamous eddiesが散見されたが,細胞の異型性はなかつた.
以上の症例を報告し,本症の臨床的事項,組織像,組織学的鑑別診断,毛包腫瘍における位置,組織学的特異型について記述した.
病理組織所見.分葉状〜粗大網状の構築を示す,境界明確な腫瘍塊であり,毛包との連絡像が認められた.腫瘍細胞の主体は,PAS陽性・ジアスターゼ消化性のグリコーゲン顆粒を多量に含有する澄明細胞(clear cell)で,辺縁に棚状構造がみられた.腫瘍内に所謂trichilemmal keratinizationと思われる像が認められ,また少数のsquamous eddiesが散見されたが,細胞の異型性はなかつた.
以上の症例を報告し,本症の臨床的事項,組織像,組織学的鑑別診断,毛包腫瘍における位置,組織学的特異型について記述した.
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