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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科32巻3号

1978年03月発行

文献概要

原著

Histiocytosis X—Letterer-Siwe病として発症し,Eosinophilic granulomaへと病型移行して寛解した症例について

著者: 鈴木伸典1 濱田稔夫1

所属機関: 1大阪市立大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.185 - P.190

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 症例:10カ月,男児.生後1カ月頃より,熱発や肝脾腫を伴なつてほぼ全身に丘疹性皮疹を生じ,Letterer-Siwe病と診断された.しかし生後8カ月頃より左上腕に結節を生じ,以後増大し腫瘤状となるとともに,臀部などにも同様の結節を生じた.治療としてsteroidとvinblastinを少量使用したのみで,腫瘤などのすべての症状が消褪した.生検像は,丘疹では真皮上層に,結節では真皮上層から皮下に組織球の浸潤が著明であり,1歳10ヵ月時に施行した結節の生検像では,好酸球の浸潤が顕著にみられた.その時期に一致して口蓋部に過剰歯や永久歯の早期萠出が認められ,組織学的に歯根部のEosinophilic granulomaが確認された.本症例は,Histiocytosis XのLetterer-Siwc病として発症しEosinophilicgranulomaへと病型が移行し,寛解し得たと考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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