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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科32巻3号

1978年03月発行

原著

Intestinal Behcet Syndrome—血液凝固・線溶系に興味ある所見を呈した1例

著者: 細井洋子1 鈴木伸典1 濱田稔夫1 山本繁2 長山正義2 曾和融生2

所属機関: 1大阪市立大学医学部皮膚科学教室 2大阪市立大学医学部第一外科学教室

ページ範囲:P.219 - P.224

文献概要

 22歳,女性.約2年前より口腔内アフタの再発をみていたが,初診の約1カ月前より口腔内アフタが増悪し,毛嚢炎様および結節性紅斑様皮疹ならびに外陰部潰瘍をも生じた.入院後,回盲部痛および腹膜炎様症状をきたし,胃腸透視の結果,回盲部多発性潰瘍および食道潰瘍が認められ,のちに穿孔を来した.intestinal Behcet syndromeにおいては,上部消化管の病変の発見されることが稀なことを報告し,腸管潰瘍発生の病因は現在不明ではあるが,本症例において,血液凝固・線溶系の検査にて,活動期にplasma fibrinogenの上昇,euglobulin lysis timeの延長,plasminogenおよびantithrombin IIIの低下のみられたことより,fibrinogen血症および低線溶能状態などの凝固系および線溶系の異常が血栓形成ひいては腸管潰瘍の発生ないし進展に何らかの影響を及ぼしていると考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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