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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科32巻3号

1978年03月発行

コメント

笹岡氏等の綜説:"皮疹を伴うT-リンパ球増殖性疾患—Sézary症候群とその周辺—"を読んで,官野氏の論文:"菌状息肉症ト胸腺淋巴性体質"を回想する

著者: 北村包彦1

所属機関: 1東京医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.231 - P.232

文献概要

 最近の発表に係わる笹岡氏等の綜説:"皮疹を伴うT-リンパ球増殖性疾患――Sézary症候群とその周辺――"を読んで,往年の官野氏論文:"菌状息肉症ト胸腺淋巴性体質"を回想した.官野氏は本症患者の剖検に胸腺の残存を認め,リンパ質又は胸腺リンパ性体質の者に或る未知の原因の作用する時菌状息肉症を発生すると推論している.しかし今や笹岡氏等謂うところのcutaneous T-cell lymphomaとしての菌状息肉症に於けるT-cellの胸腺被支配性,そして皮膚親和性に照して,官野氏の菌状息肉腫症例を胸腺リンパ性体質の胸腺の残存に結びつける.同時に胸腺の残存,腫大が皮膚細網症乃至リンパ網内系腫瘍の免疫異常に対して持つ意義を考えてよいのではないだろうか.これは笹岡氏等の綜説から官野氏の論文を顧みての感想である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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