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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科32巻4号

1978年04月発行

文献概要

原著

いわゆるAuto-immune annular erythemaの1例

著者: 笹岡和夫1 阿南貞雄2 穐山富雄2 山浦英明2 高橋勇2

所属機関: 1長崎市立市民病院皮膚科 2長崎大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.269 - P.274

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 47歳,家婦.2年来主として躯幹,上肢に,多型滲出性紅斑様の小紅斑で初発して,漸次中心治癒性,遠心性に拡大するダリエ遠心性環状紅斑様皮疹を多発し慢性に経過する.
 最近,顔面と頸部にDLE (臨床的および組織学的に)を併発するとともに,口腔内潰瘍を形成し,軽度の全身症状が発現した.
 血沈亢進,γ—G1値上昇,IgG,IgE高値がみられ,LE細胞と抗DNA抗体は陰性であつたが,抗核抗体は陽性(IgG-ANA:128倍,speckled pattern)で.血清補体価,細胞性免疫能は正常であつた.また,環状紅斑の組織像は滲出型DLEに近似するが,螢光抗体直接法による検索では,LEに特徴的な所見をみとめなかつた.なお,本症例はステロイド剤内服によく反応した.
 以上のことから,自験例はRekantらのAuto-immune annular erythemaに該当する疾患と思われた.
 さらに文献的に同様の症例を詳細に検討した結果,本疾患はエリテマトーデスのDLEに近い特殊型ではないかと推察された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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