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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科32巻5号

1978年05月発行

原著

悪性黒色腫を合併したOculocutaneous Albinismの1例

著者: 吉岡順子1 北村弥1

所属機関: 1奈良県立医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.355 - P.364

文献概要

 生来Oculocutaneous albinismを有する32歳の女性に悪性黒色腫を併発した1例を報告した.約2年前より右鼠径部に皮下腫瘤が発生し,これが2回の妊娠,出産を期に増大した.病理組織所見は,所々にメラニンを含む腫瘍細胞の集塊であった.原発巣と思われる右下腿後面の黒青色色素斑は,組織学的には青色母斑でわずかに悪性像を呈していた.放射線療法,BCG療法を行ったが効果がなく,入院3ヵ月後に死亡した.剖検で,肺,肝,腎,小腸,腸間膜,脊椎骨,脳軟膜への転移をみた.
 Albinismと悪性黒色腫の合併例は非常に稀であり,本邦では自験例が第1例である.過去9例の報告のまとめとともに,これらと自験例との比較検討,また妊娠,出産と悪性黒色腫との関係などにつき論述した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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