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原著
全頭脱毛症の1例—著明な好酸球増多と頭蓋内石灰化陰影を伴いスチーマー療法で全治した症例
著者: 戸田道子1 中山秀夫1
所属機関: 1済生会中央病院皮膚科
ページ範囲:P.585 - P.591
文献購入ページに移動 急激に発症進行し,全頭脱毛となった時点で25%に及ぶ好酸球増多とLigamentumpetroclinoidea付近の二条の石灰化を伴う全頭脱毛症の1例を報告した.ステロイド内服は無効であったが,自律神経中枢付近の神経変性に基づく毛のうの血流障害が毛のうの高度の萎縮をきたしたと考えられたので,単純に毛のう周囲の血行を促進する目的で,センブリエキス製剤の外用とスチーマー療法を行い全治した.同様の療法を難治性の脱毛症(自然治癒の多い数個以内の円型脱毛症を含まず)30例に施行したところ,1/3に有効,2/3にやや有効以上の効果をみた.上記30例の平均罹患期間は2.97年(SD:3.76年),平均治療期間は0.60年(SD 0.35年)であった.
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