icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科32巻8号

1978年08月発行

文献概要

原著

単発性肥満細胞症—とくに電顕像と本邦報告例について

著者: 清水美津子1 諸橋正昭1

所属機関: 1新潟大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.621 - P.628

文献購入ページに移動
 8カ月,男児の右第3指の基節背面にみられた単発性肥満細胞症の1例を報告した.臨床的ならびに組織学的には典型で,電顕的に若干の興味ある所見が認められた.すなわら,マスト細胞の顆粒の内部構造は,微細顆粒状,層板状,渦巻状等種々の形態を示し,顆粒内にメラニン顆粒に似た顆粒もみられた.細胞内小器官の発育も良好で,細胞辺縁部で顆粒周囲の空隙形成,空胞形成とその癒合,顆粒の変性,消失など脱顆粒像が観察された.これらのマスト細胞とは別に,細胞質内に直径100〜180nmの高電子密度の小顆粒を多数有する真皮メルケル細胞に似た細胞が観察された.
 自験例を含めた本邦における報告例(42例)を集計し,臨床的特長について考察を加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?