文献詳細
原著
文献概要
アルコール中毒の既往歴がある52歳男子晩発性皮膚ポルフィリン症症例への治療として瀉血を試み,1ないし2週間隔で100または200mlの瀉血を反覆継続した.16回,総量2160mlの瀉血によって尿中ポルフィリン排泄が正常となり,本法は有効な治療法であった.症例につき検討した各種臨床材料中ポルフィリンの生化学的検索結果のうち,バイオプシー肝片から抽出したポルフィリンを分析したところ,pentacarboxylic porphyrin (56.8%)>coproporphyrin (32.4%)>uroporphyrin (9.5%)というパターンが得られた点が特筆された.
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