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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科33巻1号

1979年01月発行

文献概要

原著

ペニシラミン服用中に生じた蛇行性穿孔性弾力線維症について

著者: 森嶋隆文1 八木茂1 遠藤幹夫1

所属機関: 1日本大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.47 - P.52

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 Wilson病のために,1日2gのペニシラミン服用7年後に肘頭,膝蓋,腎部に栄養障害型表皮水疱症様病変を,さらに1日1.0gに減量5年後に頸部に蛇行性穿孔性弾力線維症の発現をみた23歳の男子例を報告した.本例における蛇行性穿孔性弾力線維症は臨床的には典型的であるが,病理組織学的には真皮全層の弾力線維にぶどうの房状の変性像を証しうる点特異であった.ペニシラミン減量後,表皮水疱症様病変の軽快をみたことから,同病変の程度はペニシラミンの服用量と相関し,またある程度可逆性であることを示唆する.以上の皮膚病変の病態はペニシラミン長期連用によって惹起された局所的銅欠乏症に基づくコラーゲンおよびエラスチンの成熟化の障害による皮膚の脆弱性であると推測された.なお,銅欠乏による血管系病変出現の可能性についても論じた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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