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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科33巻10号

1979年10月発行

原著

転移性皮膚癌—微細構造について

著者: 下田祥由1 梅沢明1 福原俊子1 内田博子1 千葉紀子1

所属機関: 1聖マリアンナ医科大学皮膚科教室

ページ範囲:P.911 - P.917

文献概要

 転移性皮膚癌の光顕組織より原発巣を的確にきめることは比較的困難とされている.今回おれわれは光顕的にはいずれも腺癌,単純癌の像を示した胃,大腸,乳腺からの皮膚転移巣計7例の微細構造を検討した.胃癌からの皮膚転移巣では微絨毛構造,粘液分泌顆粒,副細胞,壁細胞,印環細胞など胃粘膜の特徴がみられ,大腸癌からの転移巣には粘液分泌顆粒が豊富な細胞,乳癌からの転移巣には同じく乳腺特有な分泌顆粒および小胞体が豊富でありかつ筋原線維,小胞などが認められた,それぞれ原発臓器の特徴ある微細構造を皮膚転移巣においてもとどめており,より的確に原発巣を推定し得た.今後さらに原発巣不明の転移巣における症例の検討が必要かと思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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