icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科33巻11号

1979年11月発行

講座

SLE (Ⅱ)—Ⅲ.SLEと妊娠・分娩

著者: 大橋勝1 藤井初美1

所属機関: 1名古屋大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.1021 - P.1027

文献概要

 SLEは男子に比べて女子に圧倒的に多くみられ,特に思春期及び成人期初期の女子が大部分である.抗核抗体を中心とした免疫学の進歩とその臨床検査への応用によって,多くの早期例,非典型例,特殊例がSLEと診断されるようになってきた.このためSLEの疾患概念は広がり,SLEとは急性から極めて緩慢な経過をとる症例まで種種様々な臨床症状を示す疾患となった.また治療薬として副腎皮質ホルモン剤と免疫抑制剤の適切な使用により,急性増悪が改善され,死亡率は減少した.現在では5年以上の生存率は約70%に認められるようになっている.
 このようなSLEの現状で,若い女性患者が圧倒的に多いSLEでは患者の結婚・妊娠及び出産が重要な問題となり,SLE患者からこれらについて,相談をうける機会がしばしばある.以前はSLE患者の妊娠は不適応とされてきたが,上述したように現在のSLEは疾患概念が広がり,個個の症例によって臨床像が異なっているため,妊娠の是非について的確な指示を与える必要が医師には要求されるが,これに答えることはかなり困難であるのが現状であるといえよう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら