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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科33巻2号

1979年02月発行

文献概要

原著

免疫賦活療法の奏効した菌状息肉症の1例

著者: 森岡真治1 種田明生1 小川秀興1 須田耕一2

所属機関: 1順天堂大学皮膚科教室 2順天堂大学臨床病理学教室

ページ範囲:P.149 - P.154

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 LevamisoleとOK—432による免疫賦活療法の奏効した菌状息肉症の1例を報告した.自験例ではステロイドは有効であったが糖尿病併発のため長期使用は不可能な状態であり,かつ他の各種化学療法剤には抵抗を示したため,Levamisole,OK—432による免疫賦活療法を施行した.その結果,臨床症状の劇的寛解を認めた.本治療後の病理組織学的検索では,異常増殖していた腫瘍細胞の消腿をみ,成熟した組織球の増加をみた.免疫学的検索ではリンパ球絶対数の増加,PHA刺激によるリンパ球幼若化反応の増強,CH50値の異常高値を認めたが,陰性であったツ反・DNCB Testについては治療開始60日後の寛解状態にある現在も陽転化をみない.LevamisoleおよびOK—432の正確な作用機序はまだ不明であるが,悪性腫瘍患者にこれらを用いた免疫賦活療法は今後期待がもてると思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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