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原著
金製剤による紅皮症型薬疹
著者: 細井洋子1 鈴木伸典1
所属機関: 1大阪市立大学医学部皮膚科学教室
ページ範囲:P.235 - P.239
文献購入ページに移動 47歳,女性,約2年前より膝関節痛および腰痛を訴えていたが,初診の約1ヵ月前より増強し,慢性関節リウマチとして金チオリンゴ酸ナトリウム総量85mgの筋注治療をうけた.注射終了後,熱発,口腔内のびらん,舌のきれつおよび全身に紅皮症様の皮疹を生じた.入院時の組織検査ではsubacute dermatitisの像であった.胃潰瘍の併発があり,治療としてステロイドクリームによるO.D.T.を行ない約4ヵ月の経過で略治した.現病歴,臨床症状および末梢血好酸球増加などより金チオリンゴ酸ナトリウムによる薬疹が疑われ,金チオリンゴ酸ナトリウムを添加した患者末梢血リンパ球培養にてリンパ球幼若化反応は陽性を示した.金製剤による薬疹は種々の形態をとり,発症時期および経過も異なることより,その発生機序は複雑で種々の要因が関与しているものと思われるが,自験例のようにその一部分のものについてはアレルギー性機序の関与も示唆される.
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