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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科33巻4号

1979年04月発行

原著

Trichophyton schoenleiniiによる原発性陰嚢黄癬の1例,ならびに本邦における生毛部黄癬の調査成績

著者: 高橋伸也1 小関史朗1 佐藤勇一1

所属機関: 1秋田大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.303 - P.307

文献概要

 20歳,男子の陰嚢に原発性に生じたTrichophyton schoenleiniiによる黄癬の1例を報告した.感染経路は不明.病変は陰嚢前面にのみみられ,ケシ粒大ないし米粒大,円形,多くは不整多角形,石灰状,固着性の痂皮の散在性あるいは集簇性形成よりなる.症例は高橋(吉)・高橋(伸)の分類のうちFavus pseudoscutularis型に該当するものと思われる.昭和年代に入って著しく減少し,一時消滅したかにみえた黄癬は,戦後昭和26〜27年頃より北陸地方を主とし,全国的に発生が認められ,計31例が観察されている.戦前,戦後を通じて,生毛部黄癬は25例が報告されているが,原発性は僅か8例に過ぎない.これまでに報告された原発性生毛部黄癬の原因菌はいずれもMicrosporum gypseumであって,T.schoenleiniiによる症例は自験例が本邦第1例と思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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