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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科33巻4号

1979年04月発行

文献概要

原著

Kérato-acanthome pluri-kystique pseudo-sébacé(Degos)の1例

著者: 西本正賢1 多田広祠1 福代新治1 高岩堯1

所属機関: 1岡山大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.351 - P.355

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39歳,男性.上口唇皮膚の瘢痕部(単純性疱疹後の)に膿疱様丘疹を生じ集簇融合して小指頭大の腫瘤を形成するとともに,腫瘤周囲にも毛孔一致性でない同様の丘疹が散在性に多発した.生検組織では多数の角質嚢腫が主体で,壁の一部に有棘層の肥厚とPAS陽性顆粒がみられるほか,間質に単核球を主とする密な細胞浸潤を認めたが,異形細胞はみられなかった.ベータメサゾン1日量3mgの経口投与により1週間で腫瘤は脱落したが,周囲の膿疱様丘疹は軽快しないため稗粒腫に準じて内容を排出せしめた.
以下に詳述するごとく種々の観点より本症例をKeratoacanthomaと考えたが,同様の臨床像・組織像を呈した報告例は少なく,病像の特異性を強調するためにDegosらの使用した名称を用いて報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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