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文献概要
原著
Herpetiform Pemphigus Vulgarisの1例
著者: 甲原資秀1 西川武二1
所属機関: 1慶応義塾大学医学部皮膚科教室
ページ範囲:P.495 - P.498
文献購入ページに移動要約 60歳,女性.2年前歯科治療後口腔に限局したびらんが出現し,治癒傾向なく,初診の約半月前から全身に瘙痒と遠心性に拡大する紅斑が出現した.同時に環状配列を示す水疱の出現をみた.胸部の水疱,背部の紅斑の生検において共に基底層直上の水疱形成をみ,背部の紅斑には軽度ながらeosinophilic spongiosisが認められた.螢光抗体直接法では表皮細胞間にIgG,C3の沈着が認められ,血中天疱瘡抗体は10倍陽性であった.DDS 75mg/日の治療を開始したところ皮疹は著明に改善し,天疱瘡抗体はまもなく陰性化した.DDS内服により一時血清GOT値,GPT値の上昇を認めたため,少量のプレドニソロン内服に変更.経過は順調で治療開始後約1ヵ月で粘膜疹を除いて軽快した.初診より約10ヵ月後の現在,口内に軽度のびらんをみるのみで寛解状態にある.尋常性天疱瘡ではあるが,発疹が多彩な点,DDSに反応した点からherpetiform pemphigus vulgarisとした.
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