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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科33巻7号

1979年07月発行

文献概要

原著

日光過敏性を伴う皮膚粘膜ヒアリノージスの1例

著者: 佐藤寿之 石橋明12 谷川久彦23

所属機関: 1防衛医科大学校皮膚科教室 2前杏林大学医学部皮膚科教室 3国立大蔵病院皮膚科

ページ範囲:P.575 - P.585

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 日光過敏性を伴いβ-カロチンが著効を示したがポルフィリン体は検出されなかった22歳男子例を報告した.幼時には特徴的な眼瞼縁の数珠状丘疹がなく,外傷後の肥大瘢痕を思わせる皮疹が主であって,先天性表皮水疱症と診断されたこともある.
生検組織の脂肪染色,嗜銀染色,電顕所見から,本症は線維芽細胞全般の異常ではなく,平滑筋細胞およびそれに近縁の細胞(周波細胞,汗腺筋上皮細胞,一部の線維芽細胞(myofi—broblast?)),血管内皮細胞,神経周膜細胞,シュワン細胞など,基底膜をめぐらす一連の細胞の代謝異常により,基底膜物質(ⅢないしⅣ型コラーゲンを含む糖蛋白?)が蓄積して正常膠原線維に浸潤し漸次置換されてゆく現象が本症のヒアリン化で,そのための環境条件の異常ないし通過障害によって2次的に石灰の析出,脂質の沈着を来たす一種の遺伝性結合織代謝異常症と考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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