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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科33巻7号

1979年07月発行

原著

最近経験したDiabetic Dermadromesの3例—特にlatentおよびchemical diabetesとしての考え方

著者: 北村啓次郎1 橋本隆1 栗原誠一1 真海文雄1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部皮膚科教室 2日本鋼管病院皮膚科

ページ範囲:P.603 - P.612

文献概要

 第1例,46歳女.項部〜肩部の持続型浮腫性硬化症.尿糖(−),FBS 77mg/dl,50g-OGTTは境界型,30'ΔIRI/ΔBS 0.42なるもsteroid-GTTでは糖尿病型で30'ΔIRI/ΔBS 0.098.第2例,42歳男.両手腕,頸項部,顔面,胸部に多発する播種状環状肉芽腫.尿糖(−),FBS 105mg/dlなるも100g-GTTで糖尿病型,30'ΔIRI/ΔBS 0.19.第3例,72歳男.頭頂〜側後頭部の膿瘍性穿掘性頭部毛嚢周囲炎.尿糖(+++)74g/day, FBS 258mg/dl, 100g-GTTで30'ΔIRI/ΔBS 0.11.インスリン注によりそれまで極めて難治性であった化膿巣は速かに消褪治癒した.
 以上3症例は各々latent chemical diabetes, chemical diabetes, overt diabetesに合併した皮膚病変と考えることができ,いずれも皮膚病変から糖尿病を発見しえたものである.糖尿病早期発見のためには尿糖(−),FBS正常でも100g-GTT, Steroid-GTTさらに30'ΔIRI/ΔBS値を検索すべきことを強調し,持続型浮腫性硬化症および播種状環状肉芽腫と糖尿病の合併につき考察し,前者におけるムチン沈着は常に認められるとは限らぬことを述べた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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